Harpsichord チェンバロ

 

clavicémbalo/ clavecín/ clave  clavecembalo clavecin

スペイン語                        イタリア語    フランス語

この図はMichael Praetoriusが1610年台に出版したSyntagma musicum (music enyclopedia)の第二巻の図4であり、この図には低音楽器をまとめられています。 このチェンバロの楽器名としては clavicymbelと書かれています。また、その名前の後にコーアトーン(その教会の合唱ピッチ)より4度低いと書かれている様です。

さて、このclavicembaloの語源を調べてみると、ラテン語のclāvicymbalum(clavis+cymbal)から、となっています。 このcymbalとは何か、もう少し調べて見ましょう。

cymbalumはwikitionaryにおいてはラテン語の語のところで、語源や名詞の性・格変化のタイプと共に次の様に2つの意味が載っています。

Etymology(語源)  From Ancient Greek κύμβαλον ‎(kúmbalon)

Noun(名詞)   cymbalum n(中性名詞) (genitive cymbalī属格); second declension(第二格変化)

  1 cymbal

        2    (poetic,syncopated ) genitive plural(複数属格) of cymbalum

つまり、1 シンバル  2 (詩歌において)cymbalumの複数属格形cymbalōrumの語中母音消失形

注 語中音消失(cyncopate)とはアクセントの無い音節が省略される事。  音楽で用いられるシンコペーションと同じ語源である。

 

この第二の意味は、現在cymbalum(フランス語)、cimbalom(イタリア語)、symbalom(英語)と呼ばれダルシマー族を指しています。  ダルシマーはギリシャから中欧あるいは東欧に分布する楽器であり、横に張られたいくつもの弦を手に持ったハンマーで叩いて音を出します。  おそらく、これに鍵盤を付けてclvicymbalumとなったのでしょう。 現代、ダルシマー族の楽器で現在最も有名なものはハンガリーのツィンバロンと思われます。

Flemish harpsichord

フレミッシュチェンバロ

GG~d3   a=415 - 440 シフト可

8'+4'

20世紀にイギリスで壊れた状態で見つかったイタリアンチェンバロ。 響板、キーボード、ジャック、アウターケースは20世紀のイギリスにおける付加物。 日本において、宮城県のチェンバロ製作家、木村雅雄さんによってジャックが作り直され、完全にヒストリカルな状態となった。

カタリーナ・ビセンスの来日に合わせて調整しました。 どうぞご試奏ください。

C/E~f3

 

Italian harpsichord after Grimaldi 1697

Carlo Grimaldi 1697を基に長さを2400㎝として製作したもの。 鉄弦に改めたため、図面は書き直しとなった。 また、全体に少しずんぐりした感じになった。 オリジナルはc2=283なので真鍮弦と思われるが、415より低いピッチだったと思われる。

また、ジャックは12.8x4.5mmという大型のものを使用している。 後期フランスのものよりだいぶ大きい。 このように大きなジャックであると、ちょうどギターにおいて、すべての弦を親指ではじく様な感じである。

AA,GG~d3   8' + 8'      417-442 シフト可

奈良県吉野のヒノキをボディー、響板、底板等ほとんどのところに使用している。

大人向けの貸し出しは終了しました。 現在ほとんど貸出済みです。