週刊クラヴィコードキッズ clavichordkids

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クラヴィコードキッズは主に中高生向けに音楽周辺の基本知識をまとめたもので、希望者に配信しています。  一部このページでもご覧いただけますが、分かりやすくするためにレイアウトを工夫して配信しています。 どうぞ、学年を書いてお申し込みください。

 

 クラヴィコードキッズでは、社会に出て働くようになるまでに、あるいは音楽活動をするようになるまでに、知っておくべき基礎知識を紹介しています。 語学の話題が中心ですが、歴史、美術建築史、音楽に関連する数学等を紹介しています。

 特に若い方が自分の意見を持ち、世界で活躍するには、英語を通しての世界の把握では不十分です。 特に音楽を勉強する方にとっては、グレゴリオ聖歌、ルネサンス、バロックを生み出した地中海側(旧ローマ帝国領)の国々やその言語(ラテン語、ロマンス諸語)について知識が必要になると思います。

 この写真はセルビア共和国の北西の古都スレムスカ・ミットロヴィッツァの遺跡博物館に飾られているローマ時代の壁画です。 スレムスカ・ミットロヴィッツァはローマの4分割統治時代(テトラルキア)にはローマ帝国の一つの都であり、シルミウムと呼ばれました。 シルミウムと言う名は世界史の本によく出てきます。 地元の人の話では自分の家の庭からローマ帝国時代の遺跡が出てくることがあるそうです。

 

歴史、言語、音楽に関係する数学等については概要を掲載予定です。

 

週刊クラヴィコードキッズ  clavichordkids n.17

週刊クラヴィコードキッズ  clavichordkids n.17               2016年6月9日

 今回は比(ratio)というものについて考えましょう。 音程あるいは音階を考える上で「比」は極めて重要なものです。 

なお、今回は数字がたくさん出てきますが、単純計算だけです。 小学生さんも電卓で確認してみましょう。

 さて、「比」を扱う前に、まず「差」を考えてみましょう。 例えば、4と6の差は2ですね。 差が一定の数字の列を作ってみましょう。 例えば  2  4  6  8  10  12  14 ・・・・・・ 

差が3であれば  3  6  9  12  15  18

あるいは  1  4  7  10  13  16  19  ・・・・・・  これも差が3です。

数字の列を数列と呼ぶことにすると、これらは等差数列という事になります。 つまり、差がいつも一定の数列は等差数列と呼ばれます。 等差数列はイメージとしては、例えば階段の様なものです。

段差が一定でないと危ないですね。

 

等比数列入門1

 ところが、お金にどんなものがあるかというと次の通りです。

1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉、1000円札、2000円札、5000円札、10000円札

もし、お金を等差数列に従って次の様に作ったらどうでしょうか?

1円玉、10円玉、20円玉、30円玉、40円玉、50円玉 ・・・・・

1080円の物は、財布の中にどのコインがあるかにもよりますが、例えば40円玉を22個と50円玉4個で払えるかもしれません。 ただ、1000円の物を買うために重い財布を持ち歩かないといけません。 ただ、お金を受け取った方も40円玉と50円玉に分けたり、また数えるのは大変でしょう。 10000円以上の買い物はほとんど困難です。

 お気づきでしょうか? コイン等の貨幣は10円玉、20円玉、30円玉の様な等差数列である必要は無いのです。

つまり、等差数列は大きな値を表すのに適していません。 私たちが普段使っている数字は10進法と言われる記述方式で表されています。 これに合わせて 1円玉、10円玉、100円玉、1000円札、10000円札の5通を作ればとりあえず、支払いには便利でしょう。 この 1  10  100  1000  10000  ・・・・・・が等比数列です。 外国の通貨でもこの基本は変わりません。 もう少し便利なように5円玉、50円玉、500円玉等が付け加えられているのは皆さんご存知の通りです。  外国によっては2や20といった単位を含む通貨があります。 日本でも2000円札が一時見られました。 

なお、比は10に限りません。 比が2であれば、

1  2  4  8  16  32  64  128  256 ・・・・・・

となります。 これも1から始めましたが、いくつから始まっても比が一定であれば等比数列です。 等差数列は例えば階段のイメージです。 等比数列は限りなく広くなってしまう道の様なものです。 その道をらせん状に描くと、この図のようになります。 巻貝みたいですね。

 

等比数列入門2

 次の様に等差と等比について比較してみましょう。 今年1月のお小遣いはどちらも1000円です。 上段の等差の方は毎月100円づつ上がっていきます。 一方、下段の等比の方は毎月1.1倍になっていく事にしましょう。

 

2016年                                                                                                                    2017年

1月   2月   3月   4月   5月   6月   7月   8月   9月   10月  11月  12月     1月

1000  1100  1200  1300  1400    1500    1600    1700    1800   1900    2000    2100    2200

1000  1100  1210  1331  1464.1 1610.5 1771.5 1948.7 2143.5 2357.9 2593.7 2853.1 3138.4

少数第2位以下切り捨て

 

2月は同じ1100円です。 3月は10円の差と大した差ではない様ですが、一年後の2017年の1月では大きな違いがあります。 つまり「1.1倍」を12回繰り返すと「3倍以上」になってしまいます。 等比数列はこの様にどんどん大きくなっていくか、あるいはどんどん小さくなっていくかのどちらかです。

それでは毎月何倍にしたら、来年の一月にちょうど2倍にできるでしょうか? これが12音平均律の基礎となります。

その値は1よりも大きく、また、先ほどの試した1.1よりも小さいでしょう。 それではその真ん中をとって1.05を12回かけてみましょう。

 

1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 = 1.7958・・・・

それでは1.06を12回かけてみましょう。

1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 x 1.06 = 2.0121・・・・

だいぶ近くなってきました。 ちょっとオーバーしていますから 1.059 を12回かけてみましょう。

1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059x1.059=1.9898・・・・

これで、求める値は1.06と1.059の間にある事が分かりました。 ちょうど中間の 1.0595で計算してみましょう。

1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595x1.0595= 2.000083・・ 

 

2をほんの少しオーバーしていますから、実際は1.0595よりほんの少し小さい値であることが分かります。

その値は1.0594631・・・・という終わりのない数字です。  次回はこの値1.0594631・・・・を用いて平均律と純正音程の関係を調べましょう。 

 

週刊クラヴィコードキッズ  clavichordkids n.18

週刊クラヴィコードキッズ  clavichordkids n.18                                                                                  2016620

  前回は等差というものに対して等比というものを調べてみました。 毎月お小遣いが1.1倍になる、1000円 1100円 1210円 1331円 1464.1円 1610.5円・・・・・・・・は等比数列です。

毎月お小遣いが毎月1.1倍ではなく、 毎月1.0594631・・・・倍となるのであれば、1年後にお小遣いは2倍になるのでした。

 

1 平均律とは   

 平均律とは12回進むと周波数が2倍になる様に、半音上がるごとに周波数が1.0594631・・・・倍になる音階です。 12音平均律と言えばより正確でしょう。 私の電卓で、ドを「1」として12音を計算すると次の通りです。

 

1                            c               =   1      (中央のド = 261.6255653Hz)   皆さんの電卓で計算した値をここに書き込みましょう。

1.0594631            cis             =  1.0594631 

1.05946312           d               1.1224620

1.05946313           dis            1.1892071

1.05946314           e               1.2599210

1.05946315           f                1.3348398

1.05946316           fis             1.4142136

1.05946317           g               1.4983071

1.05946318           gis            1.5874011

1.05946319           a               1.6817929

1.059463110         ais             1.7817975

1.059463111         h                1.8877487

1.059463112         c                2.0000001   1オクターブ上のド)

 

これらの値に中央のドの周波数、261.6255653Hzを掛ければそれぞれの音の周波数が出てきます。  

 

2 純正音程とは

 2つの音が「はもる」とは、一言で言うと、その2つの音の周波数が小さい数による比率で表せるという事です。 小さい数字による比率とは図示すると、例えば次の様なレンガのイメージです。 レンガの長さの比が左より、1:2  2:3  3:4  4:5となっています。 (倍音の周波数が一致することについては別の機会に補足します。)  大きな数字による比、例えば13:17ですと、きれいに積めているか分かりにくくなっています。 音も同様ですが、周波数の比が、13:17となっていても、はもっているかどうか分かりにくいです。 

 

 

 

 

 さて、分数にはどんなものがありましたか? 簡単なものを挙げてみると、1/2  1/3  2/3  1/4 等と言ったところでしょうか?

平均律のときにドからドまでの1オクターブ、つまり1から2までの間の数を調べましたから、ここでも12の間の分数を並べてみましょう。 思い付きで並べると、すべてを網羅したか分からなくなりますから、分母の値により分類しましょう。

 

分母が2のもの 2/2  3/2  4/2

分母が3のもの 3/3  4/3  5/3  6/3

分母が4のもの 4/4  5/4  6/4  7/4  8/4

分母が5のもの 5/5  6/5  7/5  8/5  9/5  10/5

分母が6のもの 6/6  7/6  8/6  9/6  10/6 

分母が7のもの 7/7  8/7  9/7  10/7 

分母が8のもの 8/8  9/8  10/8 

分母が9のもの 9/9  10/9 

分母が10のもの10/10

 

 一番左が2/23/3の様に分子分母が同じ数ですから、値は1となります。 また、最後の4/26/3のように分子は分母の2倍の数ですから、値は2です。 これで、分母が2から10までの分数で、値が12の間の物はすべて書き出しました。

また、6/4=3/2ですから、約分できるところは約分しましょう。 また、分数を計算して小数をカッコ内に書きましょう。                  

 

分母が2のもの 3/2(1.5) 

分母が3のもの 4/3(1.333・・)     5/3(1.666・・)

分母が4のもの 5/4(1.25)           3/2                                7/4(1.75)

分母が5のもの 6/5(1.2)             7/5(1.4)                         8/5(1.6)                        9/5(1.8) 

分母が6のもの 7/6(1.166・・)     4/3(1.33・・)                   3/2                              10/7(1.428・・)           

分母が7のもの 8/7(1.142・・)     9/7(1.285・・)               10/7(1.428・・)             

分母が8のもの 9/8(1.125)         5/4          

分母が9のもの 10/9(1.111・・)                    

 

 これらの値を小さい順に並べてみると次の通りです。 これで純正音程を作る上での主役たちが出そろいました。 3/24/35/46/5等は分母と分子の数字が小さいので、はもっている事が大変分かりやすいです。 また、はもった時の感じが大きく異なりますから、これらの色合いの違いも聞き分けられます。 この色合いの違いを利用して様々な和音が作られ、曲に用いられます。

1

10/9(1.111・・)

9/8(1.125)

8/7(1.142・・)

7/6(1.166・・)

6/5(1.2)

5/4(1.25)

9/7(1.285・・)

4/3(1.33・・)

7/5(1.4)

10/7(1.428・・)

3/2(1.5)

8/5(1.6)

5/3(1.666・・)

7/4(1.75)

9/5(1.8)

2

 

 

3 平均律と純正音程の出会い

平均律の12音を表す数と、先ほどの純正音程を表す数を、一つの数直性上に並べてみましょう。

 

重大事件発生

 この中で言わば重大事件が起きています。 g 1.05946317 = 1.4983071のところです。 これは平均律の時にドの半音7個分上の(つまり5度上の)音つまりソは、ドの音の周波数の1.4983071倍となる事を示しています。 この1.4983071と純正音程の1.5(3/2)との差はこの通りほんのわずかです。 中央のドの上のソの周波数は、平均律では

261.6255653Hz x 1.4983071

= 391.9Hz

であり、一方純正な音程で近いものは3/2ですから

261.6255653Hz x 3/2

= 392.4Hz

となります。

 (小数第一位までとしました。)  従って、この2音が同時に鳴ると、うなりは一秒間に約0.5回つまり2秒に一回くらいとなります。 全く異なる原理で求めた音がこんなに近い周波数を持っているのは奇跡です。 (もっとも、純数学的に求めたものですから奇跡というのも変ですが。) また、ヴァイオリンやチェロの弦は5度間隔に調弦されますが、これを純正の5度に合わせても大きな問題を生じないのは、この様に純正の5度が平均律の5度に限りなく近いためです。

 

  次回は5度と4度を合わせると1オクターブになる事を平均律と純正音程で比較し、また5度上がって4度下がるとどういう全音が出て来るかも調べましょう。 また、10/9(1.111・・) 9/8(1.125) 8/7(1.142・・) 7/6(1.166・・)のところが密集している事についても、少し考察しましょう。

 

週刊クラヴィコードキッズ  clavichordkids n.19

週刊クラヴィコードキッズ  clavichordkids n.19                                                        2016630

 

  前回、「平均律と純正音程の出会い」のところで3/2 のところが平均律の5度に極めて近い事を見ました。 同様に4/3 は平均律の4度に極めて近く、5/4 は平均律の長3度にわりと近いことを確認しましょう。 3/2を純正5度、4/3を純正4度、5/4を純正長3度としましょう。 また、純正長3度は平均律の3度と少しだけ差がある事も記憶しておきましょう。

 また、1オクターブ高くなると周波数は倍になるのでした。 これは平均律でも純正音程でも同じです。 つまり、オクターブは音律法に関係なく、基本的には純正にとります。 1オクターブ、5度、全音について平均律と純正音程で考察しましょう。

 

1オクターブ

  さて、5度高くなったところからさらに4度上がると1オクターブ高くなります。 つまり周波数が2倍になります。

これを平均律と純正音程で見てみましょう。

平均律の場合

5度は半音7個分ですから、5度高くなるという事は周波数が1.05946317 倍になります。 小さく7と書かれているのは7回掛けると言う意味でした。  同様に4度高くなる事は半音5個分ですから、周波数が1.05946315 倍となります。  5度上がったところから、4度上がる事は、平均律では次の様に書くことができます。   (ピアノの鍵盤を見ながら、5度、例えばドからソの間に半音が7つある事を確認しましょう。)

1.05946317 x 1.05946315 = 1.059463112 = 2 

1.059463112回かけると2になる数でした。     (小数第8桁目以降を切り捨てて記述しています。)

純正音程の場合

純正音程で同じことを行うと、純正5度は周波数が 3/2倍になる事であり、純正4度は同様に4/3倍になる事でした。従って、

3/2 x 4/3 = 2  

純正音程で考えるとずいぶん簡単ですね。

 

5

次に5度が長3度と短3度で出来ていることを見てみましょう。

平均律の場合

1.05946314 x 1.05946313 = 1.05946317

純正音程の場合

純正な5度は純正長3度と純正短3*より成ります。

5/4 x 6/5 = 3/2 

純正短3 純正短3度とはあまり呼ばないかもしれませんが、6/5と簡単な分数で表されますから、きれいにはもります。  

 

全音その1

5度上がったところから4度下がると全音が求められます。

平均律の場合

1.05946317 ÷ 1.05946315 = 1.05946312

4度下がる事はこの様に割り算になります。 分子に1.05946317個、分母に1.05946315個ですから、約分して1.05946312個残り1.05946312 となりました。

純正音程の場合

純正5度上がる事は周波数が3/2倍になるのでした。 純正4度上がる事は周波数が4/3倍になるのでした。 4度下がる事は4/3で割る事になります。 4/3で割る事は分子と分母を逆にして(つまり逆数にして)かければよいのですから

3/2 ÷ 4/3 = 3/2 x 3/4 = 9/8

となります。 

 

全音その2

3度上がったところから、今求めた全音下がると、どういう全音が求められるでしょうか?

平均律の場合

1.05946314 ÷ 1.05946312 = 1.05946312

純正音程の場合

純正長3度上がったところから、先ほどの全音9/8だけ下がってみましょう。

5/4 ÷ 9/8 = 5/4 X 8/9 = 10/9

純正音程においては全音が2通り出てきました。

値の大きい方9/8を大全音、小さい方10/9を小全音と呼ぶ事にしましょう。

純正長3度は大全音と小全音よりなります。

 

 

平均律では1.0594631を何回掛けるか、という話に終始します。 ところが、純正音程では簡単な分数で表されますが、全音が2通り出てきたりします。 これらの簡単な分数の計算を各自試してみて下さい。 次回もこの考察をもう少し進めます。

週刊クラヴィコードキッズclavichordkids n.20    (復習)

週刊クラヴィコードキッズ

clavichordkids n.20    (復習)                                       201678

 今回は、復習をかねて平均律と純正音程についてまとめてみましょう。 分子分母とも小さい値の方が重要な働きをします。 重要な順に(つまり、なるべく分子分母とも小さい順に)並べてみましょう。  純正5度、純正4度、純正長3度までは、以下の通り簡単な分数で表せます。 今日はこれらを組み合わせて短3度、6度を求めましょう。 今回も小数第8桁目以降を切り捨てて記述しています。 なお、増音程(ドーファ#等)については、別の機会に述べます。

 

1オクターブ        オクターブは基本的には音律に関係なく純正にとります。

平均律の場合

2

純正音程の場合

2

 

5

平均律の場合

1.05946317 = 1.4983071

純正音程の場合

3/2 = 1.5

この差はこの通りほんのわずかでした。 

 

4

平均律の場合

1.05946315 = 1.3348398

純正音程の場合

4/3 = 1.33・・・

5度の差がわずかでした。 オクターブは5度と4度からなりますから、4度の差もわずかとなります。

 

3

平均律の場合

1.05946314 = 1.2599210

純正音程の場合

5/4 = 1.25

3度は平均律と純正音程でやや異なるのでした。

 

3

平均律の場合

1.05946313 = 1.1892071

純正音程の場合

例えば、純正5度上がって純正長3度下がると、短3度となります。 このようにして求めた短3度は

5/4 ÷ 3/2 = 6/5 = 1.2   これを純正短3度と呼ぼう、と前回お話ししました。

純正5度の中の長3度を純正にとると、残りの短3度も純正になります。 この純正短3度もきれいにはもります。

 

6

平均律の場合

1.05946319 =  1.6817929

純正音程の場合

例えば、純正4度+純正長3度とすると

4/3 x 5/4 = 5/3 = 1.66・・・

この5/3は分子も分母も十分小さな数字ですからきれいにはもります。 ただ、4度は平均律との差が大きくありませんが、純正長3度は平均律よりも狭いです。 従って、この純正6度は平均律の6度より狭くなります。

 

全音

平均律の場合

半音2個分ですから1.05946312 = 1.1224620

となります。

純正音程の場合

例えば、5度上がったところから4度下がると 3/2 ÷ 4/3 = 3/2 x 3/4 = 9/8 = 1.125 (大全音)

となります。 

 

このページの上から下へ行くにつれて、だんだん分子分母とも大きくなってきました。 バロック音楽では不協和音が多用される、と言われますが、大全音も教会等、響くところでは大変きれいに聞こえます。 なお、「協和音」は、以上述べたような、きれいにはもる音の内、ごく一部を指している様です。

 

 

自由研究  

3度と6度のところでは、純正音程において「例えば」を付けて、それぞれの導き方を記しました。 ここに述べたものが最もシンプルな方法ですが、全音やオクターブを用いた違った導き方もあると思います。 研究してみましょう。